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皮肉な再会 1

 週末の横浜駅はかなりの賑わいで、列車の車両から吐き出された人々が階段に押し寄せる有様はさながら津波、人波とはよく言ったものである。  慣れない松葉杖をついた私は転ばないように注意しながら歩くものの、到着までにすっかり疲れてしまい、これなら自宅で寿司の方がどんなに楽だったかと恨めしく思った。  普段よりは移動時間がかかると見越して早めに出発したため、予定の七時より三十分近くも早く到着したが、もっとせっかちな者がいた。  比丘田と、話の成り行きから幹事にされた松下だ。私の姿に気づいた比丘田が頭を下げた。 「羽鳥先生、お久しぶりです。その節はお見舞い、ありがとうございました」 「やあ、思ったより元気そうで何よりだ」 「御心配をおかけしました。それにしても、お互い災難でしたね。まさか先生まで入院だなんて」 「一泊で済んで助かったがね。キミの方は二ヶ月近くもじゃあ、大変だっただろう」  比丘田は私の全身をちらちらと眺めると、「先生、四月の頃から比べて、ずいぶんイメージ変わりましたね。いつも白衣姿しか見ていなかったからかな、何だかすごくオシャレじゃないですか」と感心したように言った。  そんな友の言葉に松下も反応する。 「ホントだ、めっちゃカッコいいっスね。学校にいるときの格好とまったく違うなぁ、今度その服で講義やってくださいよ。大反響ですよ、きっと」 「ありがとう、来週さっそく実行してみるよ」

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