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皮肉な再会 6
結城のサークルの後輩だと皆に紹介されたあと、私に視線を走らせた三田は「若作り先生、退院おめでとうございます。一日で治るなんて、骨粗鬆症じゃなかったんですね」と言ってのけた。
そこで私は貸出金の礼を述べると「こう見えても骨は丈夫でね。思ったよりも早く退院できたし、こうやって学生の諸君に心配してもらえるなんて、教授冥利に尽きるよ」と反撃した。
「でもまあ、気をつけないと、老人は骨折が元で寝たきりになるっていいますからね」
ええい、口の減らないヤツだ。私は中年から昇格して老人扱いになっていた。
「それにしても今日は一段とオシャレですね。若者と一緒に飲みに行くなら、それぐらい気合入れないとついていけませんものね」
「キミもかなり頑張った格好だな。七五三のお参りかい? 千歳飴はちゃんと買ったね」
丁々発止のやり取りに結城はおろか、残りの五人も唖然とし、囁き合っている。
「こ、こんなに強気でしゃべる先生、初めて見た。何かスゲェ迫力」
「しゃべるっていうより、メチャメチャ喧嘩腰だと思うけど」
「あいつだよ、ほら、例のお騒がせな一年」
「あ、なるほど。それで先生はイライラしてるんだ」
結城がこちらを気遣うように見る。またしても平穏を乱す天敵の出現に、何らかの波乱を危惧しているのだろうか。
私の攻撃ならぬ口撃にもメゲず、三田はふふんと胸を反らせた。
「今夜はパパの会社の歓送迎会があったんですが、もっと気楽に飲もうってことで、その流れでここへ来たんですよ」
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