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皮肉な再会 7

 三田の父親が会社を経営していることは先に結城から聞いて知っていたが、そこの人事異動により、転出者と転入者双方を引き合わせるパーティーが近くのホテルの宴会場で行なわれたらしい。  ここではお偉い方々抜きの選抜メンバーで二次会らしく、サラリーマンやらOLたちが幾つかのテーブルに分かれて歓談しているが、私たちの席に一番近いテーブルには若い世代の者が集まっており、三田はそこに参加していたようだ。 「おい、パパの会社だってよ」 「とんだおぼっちゃまだな」  ひそひそと小声の揶揄が聞こえてくるが、三田は気にする素振りもなく続けた。 「ボクの叔父にあたる人の大阪支社栄転が決まりましてね。親戚だし、未来の社長としてはきちんとお見送りしなきゃ、って」  親類を部下に、息子を次期社長にとは、典型的な同族会社だ。  そういう馴れ合いの企業はいずれ経営破綻するに決まっている、というのは私の独断的な見解に過ぎないが。  それでも経営者を目指すならば経済学部か商学部へ行けばいいのに、理工学部なんかに来るな!  「あそこにいるグレーのスーツが叔父です。隣は義叔母、奥さん同伴で参加ですからね。二人と向かい合わせに座っているご夫婦は叔父と交替で、大阪から横浜支社へ転勤してきたんですよ」  そんな話はどうでもいいのに、私はつい、三田の叔父がいるというテーブルの方を見てしまった。

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