110 / 113

青いポインセチアの花言葉 12

 さんざん喘ぎ、狂わされ、くたくたになった私からようやく指を抜いた結城は激しい息遣いをしながら囁いた。 「……入るよ」  次の瞬間、強い衝撃が身体中に走って、私は悲鳴にも似た叫び声を上げてしまった。  結城が私の、この中にいる。  強く、逞しく、雄々しい彼自身が私の身体の内に入り込み、激しい衝動を以って突き上げてくる。  忘れかけていた快感が甦り、全身にみなぎってくると、身体の芯まで痺れてしまい、もう何も考えられはしない。あとはひたすら交わるだけだ。 「あ、あっ、もっと」  髪を振り乱し、泳ぐように全身を揺さぶる私をしっかりと捉えて、彼は何度も何度も私の内側を貫いた。 「はっ、ああっ、あーっ!」  喘ぎは搾り出すような叫びとなり、狂える人と化した私を抱きすくめたままの彼もまた、喚くように叫んだ。 「先生、俺と……!」 ──こんなにも激しい時を過ごした経験はなかった。寄せては打ち返す快楽の波に溺れた二人は飽くることなく抱き合い、ひたすらに互いを求め続けた。  ようやくその波が引いた時、浜に打ち上げられたような姿の私たちはそれぞれの指を絡め、相手の顔を見つめた。 「凄かった。溺れたかと思った」 「そこにいるのは溺死体か」 「そうかも」

ともだちにシェアしよう!