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②
だけど、それは些細な事
溢れ出た人の良さに裏表のない性格と笑顔で誰からも好かれていたコイツは、すぐさま学級委員長に祭り上げられた
どこを取っても俺と正反対の奴で
卒業まで接点もなく終わると思っていたのに。
あの時も‥‥
今日と同じ様に授業をサボろうとしていた俺に
声を掛けてきた
□□□□□□□□
「神谷 采」
予鈴の音が響き渡る廊下で、はっきりと俺の名前が呼ばれる
後ろを向けば、俺をしっかりと見据える乃木がいて、向き合ってもなお俺から視線を外そうとしない
「ぁあ?ッんだよ‥‥」
「何でお前はいつも授業を受けないんだ?」
「はっ!何を聞いてくると思いきや‥‥つまんねーに決まってるからだろうが」
とっとと自分だけの場所へ行こうと歩を進めた俺に向けて
「‥‥‥違うな」
「は?」
「お前は嘘をついてる」
きっぱりと断言してくる
(何で、コイツに言われなきゃならねぇ)
「テメェ何が言いてェェェ!!」
「本当はお前、教室に居たいんだろう」
一瞬
息が詰まる
「な!な、」
「教科書忘れたからって、そんな事で悩むな!
今時、廊下に立たせる先生はいないから安心しろ。よし、教室に戻れ神谷!」
「教科書って、ち、違ェェェェェ!!~~~ッメェの指図、誰が受けるかッ!」
「ハハハッ指図じゃない、命令だ」
「て、テメェェェェぶっ殺す!!」
「ハハハッ、元気いいなぁ神谷は」
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