14 / 66
③
それからだ
毎日、毎日コイツは俺を見ては
『教室に来い』だの、『俺が言っているのに何で来ないんだ』だの
終いは『お前は俺の近くに居ろ』
そんな事まで口にする
何様を気取っているか分からないが、俺の事を恐がりもしなく
コイツも市と同じように、付き纏って来る
いや、市より若干タチが悪い
何でか分からないがコイツからは…
(ちっ……)
とにかく、俺はコイツが
嫌いだった
「市、お前も教室に戻れ。授業始まるぞ」
「えぇーーそんなッ、いいんっちょー!
せっかく、神谷がガチ嵌めOKしてくれたんですよ。
アンアン喘ぐ神谷とのハメ撮りの夢、僕の夢を壊すんですかーー!」
「市テメぇは、一生の眠りにつくか?ぁあ?」
「委員長も僕の夢叶えて下さい。ね!ね!保健室行きません?」
「ん?あぁ、何か食べに行くって言ってたな?
俺は甘い物が好きなんだが、今の気分は和菓子がいいな」
「そうですねーー、神谷の感じからすると乳首はまずは舐めて、甘噛みしてあげた方がいいですね。おへそも敏感そうですから優しく擦り続けてみましょう。」
「饅頭と大福は違った良さがあるしな。甲乙つけがたい」
なんであれで普通に会話が成立しているのかは謎だが、市があの野郎を止めている今がチャンス
ゆっくりと忍び足でもって、少しずつ少しずつ
距離を取る
そして、絶妙なタイミングを見計らい
(今だッ)
コイツらから背を向け、走り出そうとした
ともだちにシェアしよう!