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②
そんな良いご趣味をお持ちの市が
聞きたかった事があるんですよー
と、ふと何か思い出したように俺に問いかける
「ずっと気になってたんですが、神谷はどうしてこの学校にしたんですかー?
新たなる道に目覚めたいとか?」
何気なく聞かれたその質問に脈が早くなる
「誰かれお前と同じだと思うなッ」
「んーー男漁りが目的ではないなら、真面目に授業受けて進学希望でもないですしー
あっ、もしかして女の子が嫌いとかだったりするんですかーー?」
早々に核心を突かれて心臓が跳ねた
「ち、違ぇ‥‥」
「え?神谷、女の子ダメなんですか?」
上擦った声はモロバレ
冗談めかして言った事が当たったとは思わなかった市が、ビックリしてこちらをガン見しているのが分かる
「ダメじゃねぇ‥‥苦手、なんだよ」
「うわっもしかして、顔が怖いとかが原因で恐がられて泣かれてしまったとか…」
「ちッ」
「それでもってトラウマになった揚句、近くに来られてもダメだとか…」
「う、うっせェ、悪ィか」
小さい頃、転んだ女の子を助け様とした親切心
それが仇となったのを覚えている
俺の顔を見てさらに泣き散らす女の子を、周りにはどう映ってたのかなんか一目瞭然
『虐め』『酷い子』『恐い』
そんな中傷が耳にこびりつき
いまだに女を前にすると、どうもその時の光景がフラッシュバック
心拍数が上がり動悸が激しくなり、落ち着かなくなる
だから、女がいない学校と思い選んだが‥‥
「神谷、ぜひ一発ヤりましょーー。君はイイ受けになれます、僕のネコちゃーーん!!」
「死ねェェェェェェ」
「そこはニャーーーでしょーーがっ!」
後悔先に立たずとはよく言った
こんな変人がいる学校を選んでしまったなんて…
両手広げ駆け寄る市の頭を叩き落としてやった
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