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④
「あ、兄貴ィイイイ!!」
考えるよりも、兄貴が居る下に向かって吠えていた
叫び声に気がついた兄貴が上を見上げ、満面の笑顔で手を振ってくれて
その仕草があまりにも可愛いく
なんで学校に来てくれたのか分からないが嬉しさに、体温が上がっていく
「え、神谷!?ここ2階です!」
「やめろ、神谷ッ」
乃木と市が俺が何をしようとしたかを察知したのか止めようとする
でも、窓の桟に足を着いた俺の行動の方が速かった
足に力を込め、床を蹴る
窓の縁を掴み、その勢いをつけたまま
飛び下りた
ワッ!
と、後ろから上がった悲鳴が小さくなる
体と顔に風圧がビシバシ当たり、着地の瞬間足に衝撃が走った
若干の痺れを振り切り顔を上げれば、そこには俺とは似ても似つかない綺麗な顔があり
「おぉっ、サイーーっ」
「あ、あああ兄貴!?」
突然抱きしめられて、体が硬直する
と、腕の中にいた兄貴がパッと弾かれたように顔を見上げ
「すっげーな、サイ今のめちゃんこカッチョイーっすっげぇ飛んだぞ」
(か、体が密着ッ、ぅう、上目遣いとか、ヤバいッ)
可愛いさに目眩を起こしそうになる
「~~ッあ、ああ兄貴‥‥あのよ、何でここに?」
「ん?あ、家のカギ無くしちゃってサイを待ってたんだ。一緒に帰ろう」
そう言って兄貴が目の前に差し出す右手
「えっ?えっ?あ、ぁああ兄貴?」
この手はまさか…
小さい頃は一緒に帰る時は決まって手を繋いでいたけど…
いつの間にか人が集まって来たのかザワザワと周りがうるさくなるが、それすらも気にならない
自然に手を差し出した兄貴の笑顔に動けなくなる
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