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クチュ、クチュ‥‥と、俺と乃木の合わさる唇から水音が止まる事なく響く (もぅ‥ヤベェ) 朦朧とした頭でそう思った時、やっと絡み合っていた舌が離れ、熱いシットリとした唇が消えいく 「‥ぁ‥‥は‥」 (やっと‥‥息が吸える) 乱れる呼吸を整いながらも、息を吸い込む俺に感じたのは 前髪を触る感触 「血、止まったみたいだな」 その後、スルリと頬を撫でられる指先を感じ いつの間にか閉じていた瞼を開いた目に映ったのは 「ーー!!!」 ニコニコと良い笑みを浮かべた乃木が 俺を見下ろしていた 「あ、…くッ‥‥クソッ」 「神谷、顔が凄い赤いが、平気か?ん?さっきよりも勃ってるな」 「て、ててテメェェェェ触るな!」 「ハハハッ、恥ずかしがるな神谷。俺のも凄い事になっていてな、このままだとお互い辛いだろうから、もう少しするぞ!だから‥‥舌を出せ」 「は、ぁああああ!?」 「歯じゃない!舌だ!」 「ッ!!!だ、だだ、だだだだ‥‥ だ、誰が‥‥出すかボケェェェェェ!!」 いまだに俺の上にのしかかる乃木の腹目掛け 俺は渾身の膝蹴りを繰り出した 「~~くッ‥‥」 (ざまーみれ!) 痛がる乃木を押し除け、急いで立ち上がり部屋から逃げるように出る 自分が情けない 弱点を知られた しかもあの乃木に。 さらにはキスをされて、気持ち良いと思ってしまった 「待て神谷ッ、応急で血は止めたがきちんと手当てさせろ」 (な、追って来やがったッ) 「て、テメッ来んなァァァァ!!」 そして俺は、学校中をがむしゃらに走り回る嵌めになった

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