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第8話 - ①
前後不覚の行動
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「ふぅ~サッパリしたぁ」
晩飯の後
あの2人のよく分からない嫌がらせから逃げ切った疲労感を風呂ですべて洗い流し、やっとひと息ついた俺が目にしたのは
ソファーで横になり寝ている兄貴だった
「兄貴?おーい‥」
「‥‥‥び‥ビームサーベル欲し、ぃ‥」
「くくっ、兄貴」
何の夢を見ているのか聞かなくても分かる
ヨダレを垂らし幸せそうな顔で寝ている相変わらずの兄貴
自分自身でも同じ血が流れてるとは思えない
長い睫毛に白い肌、柔らかい髪質
骨格からして細くて華奢
見れば見る程‥‥
(ヤバッ、やっぱ‥‥可愛い‥)
無防備なその姿は、同じ男とは思えないぐらい魅力的で、うっすらと少しだけ開いた唇を見てゴクッと喉が鳴る
唇から漏れる吐息に
舌を吸われた時の痺れる感覚
お互いの鼻が擦り合わさり、くすぐったいあの感触
乃木とのキスで知ってしまった気持ち良さ
(ッて、俺は何考えてやがる)
心臓がバクバクとうるさい
一瞬でも馬鹿な気を起こそうとした自分自身をぶん殴りたくなる
これ以上、変な事を思わない様、兄貴から離れようとした俺に…
「‥‥ぉ‥」
「ん?兄貴‥?」
呟きが聞こえた
兄貴に近寄った時、はっきりと耳に聞こえた言葉は‥
「ともぉ〜」
「…ッ」
兄貴の親友の名前だった
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