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②
(あの野郎、夢にまで出て来やがって!)
一度、会った事がある
兄貴とは大学で知り合った奴、らしい
馬鹿丁寧な敬語を使い、ボサボサの頭にメガネをしていたせいで顔はよく見えなかったが、背は俺よりもデカかった
兄貴とは正反対
そんな印象で
でも、兄貴が楽しそうにそいつと話しをするのを見て
またそいつも兄貴と話す時は笑うのを見て
チリチリと胸の奥が焼けるように痛くなったのを覚えている
その空気感がただの親友、と言うよりも
もっと濃く、俺の入る余地すらない事ぐらい
(分かっている…、分かっては、いる…)
俺がとやかく言える立場ではないし
俺は兄貴の弟でしかないことぐらい…
自分に何度も言い聞かせて、この想いに蓋をする
俺に出来るのはこの想いを絶対兄貴に知られないようにする事と、気持ち良く寝ている兄貴にタオルケットを掛ける事ぐらい
起こさないようにゆっくりとタオルケットを掛けた俺は…
「ん~~」
「へ?と、ちょ、兄貴ッ」
兄貴に覆いかぶさっていた
実際は、寝ぼけた兄貴が俺の服を引っ張って、バランスが崩れてしまっただけ‥
だけど、やむなくこんな体勢になってしまったが、これは‥
(ま、ままま、マズいっ顔が近ぇし、息が‥)
「んン~~あったけぇ‥」
「あ、ああああ兄貴マズいって!」
離れようとした途端、スルリと背中に回された兄貴の腕の感触
幸せいっぱいの甘い顔が目と鼻の先
さらには、風呂上がりの俺で暖を取るにはちょうど良かったのか、兄貴が俺の胸ん中でスリスリと擦り寄って来る
心臓が…
理性が‥
つーか、下半身が‥
一気に熱が上昇する
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