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第9話 - ①
思いのたけ
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学校帰り、ガサガサと茂みの中から動く音が耳に届く
(これは!)
ピンッときた俺はその音のする学校の裏庭へ歩き出した
「あ、やっぱりいたッ」
身を低くして茂みを見つめていれば、暗がりの中に光る目
独特の喉を鳴らす鳴き声
鳴き声を聞いただけで、ウズウズしてくる
(触りてぇ‥)
「チッチッチッ」
手を差し出してみれば、ニャ~~と可愛い鳴き声がさらに響く
(うわわッ、こっちに来た!)
ちょっとずつ俺に近付くネコに、顔が綻ぶ
指先だけでも舐めてくれたら、暫く動かずにいよう
落ち着いた頃合いで撫でてみようかと、
シュミレーションは完璧
行けるか?
そう思った矢先‥
「痛でッ」
鋭い爪を俺の手に立てたネコは猛スピードで逃げていった
「あ゙ぁ゙ーークソッまた触れなかった、なんで駄目なんだ?ちょっと動いたからか?そんな警戒しなくても。今日に限ってオヤツ持って無かったのも痛いックソーー」
「お前、何してんだ?」
「ぇえ?の、乃木ッ」
いつもの如く幽霊の様に物音立てずにいつの間にか後ろにいる乃木
その顔は不思議そうな表情で俺を見ている
「ななな、な、なんだゴラァアアアアアッ、テメェやるのか?ぁあ?いつも透かした顔しやがって!今日こそは決着つけるって言ってんのかぁあああ?」
悪態を着いてはみたが‥‥
「ハハハッ神谷、猫に負けたのか?」
「っ!!!」
一部始終見ていたと思われる乃木には意味を成さなかった
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