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「起きんかァァァァい!」 「何だよテメェは‥‥たくッ」 「行くぞ神谷ァァァァァ!」 あまりにうるさく仕方ないと重い腰を上げ、立ち上がった瞬間 俺に金髪野郎の拳が襲い掛かった 思いの外、威力があって 寸での所でかわしたが、急に無理な体勢を取ったためか 足の付け根がビキッと痛みが走る 「ぐッ‥‥痛ッて‥」 「あっ、おい!神谷、どないして‥?」 バランスが崩れて、ふらついた体を何故か… 「テメェ…何してんだ?チャンスだろ?」 金髪の手が俺を支え、抱きしめられていた 「なんやァ?その態度は! 本調子じゃあらへんお前倒しても、面白くもなんともないんや」 「ちッ‥‥」 これもきっと、乃木のせいだ 力強く腰を擦り付け、打ちつけてきた下半身 その乃木の腰に両脚を絡ませ、普段取らない体勢で何度も何度も俺も腰を… 朝起きた時に違和感があったが、昨日のされた行為を思い出し、違うと頭を振って追い出したのに。 それが、こんな奴に借りを作っちまう羽目になるなんて。 金髪から離れて、また壁にそって腰を下ろす 「なんや調子悪いんか?保健室連れて行くか?なんなら肩貸すか?」 「いや大丈夫。つーか金髪、お前心配し過ぎだろ」 「なぁぬぅぅぅ金髪やて!?名前ぐらい覚えてろや!」 失礼な奴だ、とか 人としてどうかと思う、とか 何度も喧嘩している仲だろう とさえ鼻息荒く捲し立てるコイツを見ていると よっぽど名前を覚えてなかったのが気に食わなかったらしい

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