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「せやから、俺はいつかテッペン取りたいと思ってんや。腕には自信ある、でもそれにかまけている奴にはなりとうない、分かるやろ? だから日々努力もせなぁ」 「‥‥‥‥あぁ」 「そーやろ、そーやろ。この学校に強い奴はぎょうさんおるしな。 その筆頭が3年の虎兼さんや。デカい上にオーラもある、そして一発で人をノすあの力強さ。 ほんまあの人の喧嘩してる姿はカッコええし。 ただ惚れっぽいやすくて熱入り過ぎると、周りが見えんらしいわ」 「………そー、か」 「まぁそれは些細な事やからな、俺もそれぐらい強ぉなりたいっちゅー事。 その為には、どんな奴にも向かって行かな! 例えお前にやられようがそんなん、どーて事ないんや、結果やないその過程が大切やっちゅ~~てん。 なッ?俺、イイ事ゆーてるやろ?」 「‥‥‥‥」 「で、‥ん?神谷聞いてんか?神谷?」 駄目だ‥‥‥マジ眠い 頭がフラフラする コイツのどうでもいい喧嘩道なんか、右から左へすり抜けていく 「お、おい‥神谷?寝てんか?あっ、おい!危なッ!」 カクンッと頭が大きく動き、一緒に釣られ体が傾いたのが自分自身でも分かった 「あ‥‥悪ぃ」 目をうっすらと開けば、また三根が俺を抱きしめて支えてくれている (あったけぇ‥) コイツの体温が子供体温なのか、暖かくてなんかこのまま眠ってしまいそう 寝不足が祟って三根の胸ん中から起きる気にもならず そのままの体勢でいると‥ 「なんや、調子悪いゆうてその上、寝不足かい!寝れんようになる程、夜更かしはあかんやろ」 まったく‥‥と、呆れた声と一緒にため息が混じりあい それが耳に届く と、その途端ビリッと電気が走った 「ッ、……、ッ」 しまったッ そう思った時にはすでに 体中に疼きが巡り始めていた

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