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⑥
「三根、く、‥‥やめ、ろ…離せ‥‥ッ」
「へ?ちょ、お、おまッ、か、顔ッ…あ、あぁ分かった!は、離したで!」
俺の顔の熱さがうつったかのような
同じように赤面顔になった三根はすぐさま体を離してくれた
「だ、大丈夫か?なんやそない体辛いんか?」
「‥いや‥‥平気だ。迷惑かけたな」
荒い息をなんとか整えたものの、明らかに怪しんでいる三根
チラチラと様子を伺ってるのがありありと分かる
「そか?ならいーけど‥あ、あんま見せへんほうがいいと思う‥‥さっきの顔は‥‥その、なんちゅーか、変な気になるわ」
「は?お前何言ってんだ?‥‥じゃあ、俺は戻るからな」
よく分からねぇが‥‥
言葉を濁すは、気まずそうにまだ顔を赤くしているは
(キモい‥‥)
いくらぶっ飛ばしても何度も向かってくる変な奴だから
これが普通なのかもしれない
せっかく休もうと思って来た屋上は、コイツのせいで全然休めなくなってしまった
仕方ないとばかりに、膝に力を入れグッと立ち上がろうとしたら‥‥
「くっ」
「うぉッ!!」
「あ‥‥悪ィ‥‥‥」
力が入らずカクンッと崩れ落ちた膝
とっさに三根が受け止めてくれたが‥
厄介な弱点を刺激されて、まだ力が抜けていたせいで踏ん張れなかったらしい
「!!!!あ‥‥‥き、きき気いつけぇ!
な、なんや、足フラフラしおってからに。
神谷ほんまは、めっちゃ弱いんちゃうんか!?」
「はぁ?弱い‥‥だと?三根テメェ殴られたいらしいなぁ!」
「あ゙ッ‥‥ま、待て待て待て冗談やさか~ぐはァァァッ!!」
弱い奴に弱いと言われる筋合いはない
助けてもらったのと、これとは別
思わず出ていた手は、綺麗に三根の腹に減り込み
奴は白目をむいて倒れた後だった
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