62 / 66
②
「え゙ッ!?の、の乃木、何でテメェがッ」
「お前を呼んで来いと言われてな。だから来いッ」
「ちょっ、待てや、見れば分かるだろーが!
テメェに構ってる暇なんかねぇんだゴラァア」
そうだ、今は誰が見ても喧嘩真っ最中
突然湧いて出た乃木の出現で、俺に向かって来ようとしていた奴らも戸惑っている
でもそんな中、空気が読めねぇ乃木は‥
「ん?ハハハッ、神谷は寂しがり屋だな。
そうかそうか、構って欲しいのか!」
「ち、違ぇぇぇぇぇ!!」
場違い甚だしい
爽やかに笑いながら、何が分かったのか知らないが一人頷き、理解したそぶりを見せている
「構って欲しいのは分かったが、それならいつも俺と一緒にいないとな。こう、神谷がいなくなるたび探すのは骨が折れるぞ」
「は?なに言って、ちょっ、痛ッ!て、テメェェェェ引っ張るな」
だから何でコイツは分かんねぇのか!!
ガシッと俺の腕を掴んだ乃木は周りなんか気にしないで、ズルズル屋上の扉に向かって歩き出す始末
「だから話しを聞けェェェェェェ!!」
「ハハハッ、そんな大声出さなくても聞こえてるぞ、神谷!」
「違ェェェェェェェッ」
結局‥‥
喧嘩をしてた奴らも、俺も
コイツの勝手な行動によって、呆気に取られるは、興を削がれるは
喧嘩をそのまま続行出来る訳もなく
消化不良に終わった
ともだちにシェアしよう!