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③
最初は抵抗していた俺だが
言い出したら聞かない奴には意味がないと分かり、諦めて乃木と一緒に校内を連れだって歩く
(つーか、呼んでいる奴って誰だよ…)
何も聞かずに乃木に付いて歩くが、一向にそれらしき人物に会わず、さらにはスタスタと玄関に行き、そのまま外へ歩き出した
「ん?お、おい乃木!どこに行くんだ、テメェ!?俺を呼んでる奴はー‥」
「神谷なに言ってるんだ?お前を呼んでいるのは茶太郎に決まってるだろ!」
なんで分からないんだ?
と、言わんばかりの表情でコチラを見てくる乃木
質問した俺が悪いのか?
茶太郎が呼んでるとすぐ理解しなかった俺が悪いのか?
つーか‥‥
「ネコはしゃべれねェェェェェェ!!」
「知らないのか?ネコは喋るぞ」
「え、‥‥‥ぇえ!!?」
「腹減ったとか、遊ぼう‥とか」
「はぁあ?何言って‥‥‥」
真面目な顔をして目を逸らさず言い切る乃木に、馬鹿言うんじゃねぇ、と突っぱねる事が出来なくなる
コイツは簡単に嘘を見破る奴
そして、キモい程自分に正直な奴
そんな奴が果たして自ら嘘をつくか?
つー事はそうなると、本当に茶太郎は‥‥
(俺も茶太郎と喋れる…とか?)
ヤベッ!ドキドキしてきた!
動物好きは誰しも『会話が出来たら』こう思った事があるだろう
大人しく頭の良い茶太郎なら、本当に意思の疎通が出来るかもと、そう思えば思うほどワクワクが止まらなくなる
「あ、後‥なんて言うんだ?
俺の事とか‥‥どんな風に言ってた?」
「ん?確か‥‥口は悪いが優しい奴だとかだな」
うわっ、マジかよ!
動物に好かれる日が来ようとは、今までツラい思いをして来ただけに、これは嬉しいッ
「あとはもっと頻繁に遊びに来て欲しいとかを‥‥『ニャーー』と言って鳴いてたぞ」
「マジ、そうかぁ!茶太郎がニャーって‥‥
‥‥‥‥は!!はぁあああ!?」
「だから、そんな事を茶太郎は言ってる‥‥
と、俺が思っただけだ!!」
「て、テメェの脳内言語変換なんて知るかァァァァ!!」
コイツの頭はやっぱりイカれていると改めて感じずにはいられない
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