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第八話
「…ん。っ!」
目が覚めるとベットの上だった。起き上がろうとすると全身が悲鳴を上げた。起き上がるのをやめ周りを見回すと見慣れぬ部屋だった。
(ああ、そうかここはあいつの部屋。)
モヤに包まれていた意識が鮮明になってくる。すると、自分が何をされていたのかを思い出す。
「…あの野郎!」
怒りで枕を掴み壁に叩きつけた。
「っーー…」
激痛がはしった。
全身が鉛のように重い。後ろにはまだ何かが入っているような違和感。
「首輪が、ついてない…それに拘束も…」
いつの間にか首輪も拘束も外されていて、体は綺麗にされていた。
「あいつが…?」
何故大神が拘束を解いたのか。何故いないのか。何も分からなかった。でも、ここにい続けるのだけは不味い気がした。
「 逃げなきゃ」
そっとベットをおり、きしむ体をなんとか動かし大神が居ないことを確認しながらそっと部屋から出た。そのまま、同じ階にある自室に戻った。
部屋に戻り誰もいないことを確認した。見慣れた自分の部屋。
助かった。しかし、大神がしたことは消えない。ほっとしたのもつかの間、急に体が震えだした。そして涙も…
「くそっ、くそっ…」
大神への怒り。あんなことをされて感じてしまった自分への怒り。自分の秘密を知られてしまったことへの後悔、そして恐怖。
「俺は、どうすれば……」
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