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第九話
[学校]
「はぁー…」
朝食を食べようとしたが、食欲がなく結局大神に監禁された日から丸一日何も食べていない。
部屋に引きこもっているのも嫌で学校に行ったはいいが、体が痛い。椅子に座るのがとにかく辛い。変な座り方だとバレないか、俺の秘密は漏れていないかが気になって仕方ない。
(大神の野郎、次会ったら殺す…)
「おはよう!佐々木くん。大丈夫?風邪引いたんでしょ?」
「えっ!?あ、あぁ。大丈夫だ。ありがと」
「無理したいでね」
(俺は昨日風邪で欠席になっているのか。用意のいい事で)
そのあともいつも通り挨拶をしてくれるクラスメイトたち。俺の様子に気づく気配がなくて安心した。
「はよー。佐々木!大丈夫か?風邪引いたんだってw」
安心したのも一瞬で、むかつくやつが近づいてきた。
「そんな嫌そうな顔するなよ」
「うるさい。少しは静かに話せ」
「元気なようで何よりです。副会長様?」
こいつは一年の時から同じクラスで九条という。こいつも今期の生徒会役員だ。こいつは学校推薦枠から生徒会に入ったほどだ。優秀なのは認める。だが、この軽薄な性格のせいで俺は苦手だ。
「様を付けるな。あと、うるさいから俺に近づくな」
「はいはい。分かりましたよ。副会長さんw」
九条はわざわざ副会長を強調する。俺が嫌がるのを分かってやっているからタチが悪い。
キーンコーンカーンコーン(チャイム)
朝のホームルームが始まる。大神は接触してこなかった。
(あいつとはクラスが違うから昼休みまでは安心だな)
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