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第十話
(昼休み)
やっと4限目が終わり昼食を食べるため食堂に行く生徒や購買にパンを買うために走りだす生徒がいる中、俺は机に突っ伏していた。体調がすこぶる悪い。今朝よりももっと気分が悪い気がする。
「大丈夫か?」
そう言って誰かが俺の肩に触れた。
「っつ!」
大神が来たのかと思い驚いて、いや恐怖で肩に乗せられた手をはたいてしまった。大神に対して恐怖を抱く自分が許せない。
「いたた」
「わ、わるい。大丈夫か?」
「あー大丈夫、大丈夫」
はたかれた手をひらひらとふって大丈夫だと言う男は九条だった。
「副会長さんがそんなに余裕なさそうな顔してるなんて珍しいw」
「うるさい」
大神を意識するあまり余裕がないことをこいつに見抜かれるなんて。俺は悔しい気持ちを押し殺して平静を保とうとした。
「余裕がないなんて顔はしてない。いいのか九条。はやくしないと昼食を食べ損ねるぞ」
「ああ、そうだな」
やっと九条も離れるだろうと思っていると、九条が俺の額に手を当てた。
「な、なんだ?!」
「そんな驚くなって」
「驚いてない!」
「お前熱あるんじゃないか?」
「え?」
「顔が赤いぞ。朝も元気なさそうだった。風邪はぶり返しが怖いんだ。さっさと保健室行ってこい」
いつもちゃらちゃらしている九条が急に真剣な顔をして俺を心配している。以外過ぎて少し笑ってしまった。
「おい!何笑ってんだよ」
「悪い悪い」
笑いをこらえながら一応の謝罪をしておいた。
笑われたことに腹を立てる九条をよそに、俺は忠告通り保健室に行くことにした。
「ちゃんと休めよ」
俺は適当な返事を残し教室を後にした。
俺は気分が悪いことは変わらないので少しふらふらとした足取りで保健室に向かった。
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