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第十一話
{大神視点}
今朝、部屋で寝ていたはずの男、佐々木律がいなくなっていた。首輪を外しプレイルームの部屋の鍵もかけていなかったのだ。当然といえば当然だ。
僕がいないこと確認してびくびくしながらこの部屋を出て行ったのだろうと考えて、顔がにやつく。
(でも、この部屋を勝手に抜け出したお仕置きは必要だよね)
僕は次何をしようかと考えながら学校に向かう。
(昼休み)
佐々木の教室を目指し廊下を歩いている途中いろんな人に声をかけられた。いや、声をかけられたわけではない。ここは男子校ではあるが、人気を集める男子生徒がいて男子の黄色い声をよく耳にする。実際今浴びせられているところだ。ちなみに佐々木律も人気だ。
少し微笑むだけで喜ぶのだから楽なものである。
(つまらないな…)
佐々木の教室に着くと、佐々木がいないことに気づいた。きょろきょろとあたりを見回すと見知った男がいた。
「九条くん久しぶり」
「あはは、どうも」
「本当に久しぶりだね。きみは全く仕事をしないから」
「すみません。ちょっと忙しかったんですよ」
悪びれもせず謝るこの男は九条だ。
「佐々木くん知らない?」
「?佐々木なら保健室ですよ」
「保健室?」
「はい。あいつ、熱あるみたいで保健室行けって言ったんで」
「君が?」
「は、はい」
「君は佐々木くんのことよく見ているんだね」
「いやいや、よくってほど見てませんよ。あいつとは一年の時から同じクラスってだけですし」
「そう」
もう話す必要もないと考え、早く佐々木の元へ向かうため教室を後にした。
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{九条視点}
「こえーー。俺なんかしたかな」
(いつも笑顔を絶やさないやつの無表情はど怖いものはないな)
「会長様がご執着な副会長か…ふうーん。面白いな」
ボソッとつぶやいた言葉は誰にも聞こえはしなかったが、悪い顔をして笑う九条を見たクラスメイトたちは彼に見惚れてしまっていた。
イケメンというやつはどんな顔をしても様になるのである。
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