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クリミナルアクト ♾ サルヴィオ 3
すっかり素直になったケントに気を良くしながら、僕が滑らかなケントの肌を貪っていることに彼もすっかり心酔してると思ってた。
催淫剤入りのお香を焚いてるのはその為だったのもある。心の底から僕を欲するまでは、どんな手でも使う。
「……はっ……あぁん……なぁ……ガクト……んぅ……ガクトと呼ぶのはこれが最後だ……
頼む……お願い……があるんだ……」
「なに?」
愛撫の手を止めて、ケントを見る。
「……もし……オレを捨てる時には……オレを殺してくれ……最初で最後のお願いだ……」
突然の言葉に僕は心臓が止まりそうな思いがした。そんな碌でもないことを考えていたとは思いもしなかったからだ。
確かに、一回り年上のケントの方が老いは確実に早いのは確かだ。もし、ケントが年老いて、
この綺麗な肌も、老人のように衰えていくのも時間の問題だろうが……
「ケント……僕が愛を注いでるのに、そんなことを考えていたの?ちょっと優しくすると碌なことを考えないね……」
ここの部屋に漂う催淫剤のお香のように、甘い時間を過ごそうと思っていたのに……
後孔はまだ、使い慣れてないから少し腫れている。今、繋がろうとしたら痛みが酷いだろう。
「……ねぇ、ケントは僕を抱ける?」
「出来ねぇよ。やり方なんて知らない。」
「女の子だったら抱ける?」
「勃つ気がしない……碌な経験もないままで、あんなことされてみろ。自信がねぇよ……」
思いもよらない『メス堕ち』宣言に静かにケントを抱きしめた。
「捨てるなんて考えてないよ……ずっと僕のものでいてくれるなら、それでいい……」
確かに、最初は飽きたら捨てればいいオモチャの感覚で呼び寄せた。
万が一に備えて商談を用意してたのも確かだ。
僕は日本語も話せるし、ケントの為だけに忘れないように定期的に日本語は使っていた。
再会したケントを見て、確信した。
自分にはこの男が必要なのだ……と。
「捨てないよ?だから逃げないで?それと、他の人に心を奪われないで……必ず僕のところへ帰って来ないと、相手は死ぬよ?」
「……物騒だな……」
「それくらい愛してるってこと。そのうちに僕の立場もわかってくると思う。それでも逃げないって誓って……」
「逃げられるわけないだろ。今、どこにいるのかさえわかってない。それにもし、日本に逃げたとしたって、もう、オレには居場所はない。どうせ、戸籍もいじってんだろ?
どちらにしても死刑は免れない犯罪者だ。おまえが一言証言すれば、豚箱入確定だしな……」
「……ふぅん、理由はどうあれ、僕のそばにいてくれることはすごく嬉しいよ……」
――絶対に手放さない……
僕は目の前の男に、再度、落ちた瞬間だった。
「ケント……愛してる……だから、ずっと僕のものでいて……?」
「それは逆なんじゃないか?オレはおまえに捨てられたら、もう行くところすらないんだよ。
おまえが言ったんだろ?日本へ帰れば会社を潰すのなんか造作もないことなんだろ?
オレが帰ったって碌なことがない。
それに、例の仕事から足を洗わせてくれるんだろ?オレは色んな事件を見ても心ひとつ動かないような冷酷な人間だぞ?
そんなやつでも良いのか?」
「……プッ、はは……良いよ、ケント。
冷酷な方が僕としてはやりやすいかな。
僕の取引を見たら引かれるかと思ったけど、
その分なら大丈夫そうだ。
そんな話より、今はケントを堪能させて?」
覆いかぶさり、その唇を堪能する。その間も
ケントの官能を引き出す行為はやめない。
15年前と変わらない顔と声、感じてる姿は処女を相手にしてるくらい初心 な反応だ。
もっと感じさせたい……もっと啼かせたい……
欲望は膨らんでいくばかりだ。
「ケントはカッコイイのに、ベッドの中では可憐や少女のようだよ……」
「……んクッ……はぁ……んっ……なに……言って……あぁん……ンンっ……」
好きな人が自分の手の中で、堕ちて来る姿は、たまらなく興奮をする。歪んでるのかもしれないが、15年越しに初恋の相手を手に入れた喜びを噛み締めていた。
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