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クリミナルアクト ♾ サルヴィオ 5
僕は基本的には国から出ない。出てもヨーロッパからは出ない。特に日本への入国は危険を伴う。ケントは僕の親が探してる、と言っていたが、あんな親は親になる資格などない親だ。
離婚直前の別居のための買い物に来たところだった。調停直前の仲の悪い両親のどちら側にいればいいのかわからない。
自分を引き取るのがどちらかも決まっていなかったのだ。再婚の邪魔になる、とかそんな理由で宙吊り状態だった。勝手に産んでおいて、邪魔になったら譲り合うなんて、幼い僕にとっても不快極まりないし、どちらにもついて行く気はなくなっていた。
そんな時に、トイレに離れた隙に声をかけてきたのがケントだ。
その整った顔で微笑んで、
「どうしたの?迷子?すごく心細そうな表情 してるよ?はぐれちゃった?」
僕はその目の前の男に一目惚れした。
「……僕のね、お父さんもお母さんもここでゲームしててって、今、他のところに行ってるんだ。お兄ちゃん、一緒に遊んでくれない?」
6歳の僕ができた最大のナンパだ。
「そうか。オレはケント。キミは?」
「ガクト。真田岳人って言うんだ!!」
「じゃあ、お兄さんと遊ぼうか」
「ケントはくるま?僕ドライブしたい!!」
「ここを離れても平気なの?」
「大丈夫!!」
両親にうんざりしていた僕は、少し困らせてやろう、くらいの気持ちでケントを、利用しようとしたのだ。けれど、僕はそのまま両親の元に戻ることは無かった。
けれど、その日、ケントと過ごして、夜に泊まったホテルで大人の男の裸に欲情した。
父親と一緒に風呂に入ることはあったけど、
もちろんそんな気持ちになったことは無い。
けれどケントはカッコイイ上に、見てるだけでわかる白く滑らかな肌、体毛の薄い程よく筋肉のついた躰……
全てが理想的で気持ちが高揚した。
――この男の全てを手に入れたい
その時の気持ちは鮮明に覚えている。
それが欲情で、ケントを抱きたい、という気持ちだったと知るのはだいぶ後になってからだった。その気持ちを引き摺ったまま、女を抱いても何かが足りない。
色んなタイプの女性を抱いても満たされることは無かった……
が、ケントにいざ触れてみると、あの時の高揚感が蘇ってくる。焦らして焦らして快楽に溺れて感じてる表情 は、たまらなく美しかった。
眦から流れ落ちる涙、高揚した頬、開いた口から漏れる嬌声と縋るような眸にゾクゾクした。
永遠にこの時間がいいのに……と吐精させずにその快楽を貪った。
その苦しそうでいて、快楽で顔をグチャグチャにして泣き叫ぶように口から漏れる嬌声が堪らなく腰にクる。イッてるのに吐精出来ないようにして快楽の渦に叩き落とした。
そして今もそうだ。セックス漬けにして、自分から離れられないように仕込んでいる。経験の浅いケントには強烈すぎる快楽を与えている。
擦り込みに近い行為だ。だが、それで僕の傍にいてくれるならそれで構わない。
背を撫でていた手はいつの間にか止まり、少し指に力がはいってきた。ケントの限界近いのだろう。けれど、本人に自覚はなさそうだ。年齢の割に本当に初心 だ。
気を失ったケントを車から抱き降ろし、身を清めてからこの部屋に連れてきた。思いの外、体重はなく、軽々と抱き上がったことに驚いた。
それからまだ、人が普通にとる睡眠時間くらいの時間しか経過していない。
「あぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーッ」
背を仰け反らして彼が達するも、僅かな水分のような体液が少し漏れただけだったが、内壁はこちらを搾り取るように締め付けてくる。
――あぁ、なんて気持ちいいんだろう……
それでも腰を揺らすと
「も……イッてるからぁ……やぁぁぁ……」
首を横に振りながら身悶えているけれど、スグに次の波が来てまた、悲鳴をあげながら空イキをした。今度はさすがの僕も耐えられず、奥に熱い飛沫を打ちつける。
「あッ……奥……あ……つッ……」
――気持ち良さそうな表情 して……
また、意識を飛ばした彼の中で、まだ力を失っていない僕はそのまま吐き出したものを掻き出した。次は中では出さずに腹にぶちまける。
酷くイヤらしいその姿に僕は満足をした。
ベッドメイクを指示し、その間、寝ている彼を風呂場に連れていき、身を清めた躰をバスローブで包み、そのままベッドメイクの終ったベッドに横たえ、同じベッドで眠りについた。
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