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クリミナル アクト ♾ サルヴィオ 21

愛を囁きながら、ケントも何かを考えているようだった。あんな僕を見て愛想をつかしたのかと思い、普段なら口にすることなど無い言葉を舌に載せる。 「……僕のこと、好き?」 ケントは期待以上の回答をしてくれた。6歳の頃から思い続けた相手。これまでのような僕をドキドキさせることもない、簡単に脚を開く女にしてきた淡白なセックスでは終われない。貪って突いて、綺麗に乱れる姿を延々と見ていたい。たまに持っていかれそうになるが、何とか耐える。こんな気持ちいい満たされたセックスはケントとしか出来ないだろう。 普段の僕なら『セックス中に考え事なんて余裕があるね』ともっと攻めたてただろう。けれど、頭の中をぐるぐるとまとまらない考えをしているのは僕も同じで、お互いに思うところがあるのだろう。けれど、それ以上は問うて来ない。それは僕の生きてる世界をある程度理解してくれていることからなのだろうと思う。 それに逃すつもりも逃がしてやるつもりもない。国籍もイタリアにあるから、万が一大使館に逃げ込んでも国外に出ることは出来ない。パスポートも持っていない。行動はほぼいつも一緒に動いているか、屋敷で寝ているか、だ。 一人で行動させることは先ずないが、もしそんなことがあったとしても必ずSSをつけるしカードを持たせるつもりだ。ケントには軟禁状態で生涯を隣で過ごしてもらう。もう、ケントのいない生活など考えられない。 彼の手腕も日々成長している。表の仕事の利益がグンと上がったのは彼の采配によるものも大きいだろう。会社の利益を考えても、ケントを手放すのはマイナスと言えるだろう。まだ、若造と言われる僕よりも知識があり、時に冷酷に取引先を切る。新しい案も打診してくる。 多少の負債を覚悟で動いてみると、逆に利益を産んでいる。彼の見る目は確かなものばかりだった。彼の元々いた会社もすでに傾き出し、ある程度大きな会社であるにも関わらず、余計な事業に手を出して失敗をしたりの繰り返しだ。いくらこちらで必要なものを購入したとしても、その負債額を補うだけの収支にはならないのが現実だ。他社でも取扱ってるものなので、別にあの会社にこだわる必要性はないのだが、ケントが勤めていたから、という理由だけで取引だけは続けているが、切ったところで別の取引先を乗り換えれば良いだけの話だ。特にケントが取引をやめろ、とは言わないから続けてるだけだった。ケントの中にもあんな扱いを受けていたにも関わらず情があるのだろうか……? しつこく片野からケントに電話を取り次いで欲しい、と連絡は来るものの、僕のところで引き止めている。今更何の話があるというのだろう?もう、会社は退職しているのだから、電話を取り次ぐ義理もない。会社に戻そうなんて考えているものなら冗談じゃない。こちらの世界を教えてしまった以上、ケントは僕から逃すわけにはいかない。日本へ戻れば、また犯罪に手を出さなければならなくなるか、消されるかのどちらかだ。僕はケントを失えないし、足を洗う為にこの国にいるのだ。ケントは僕という『罪悪感』を背負って僕の片腕でいてくれなくては困る。ようやく手に入れたこの『深い愛情』を僕は手放したくはない。 ケントの躰は『男なし』ではいられないように塗り替えた。他の誰かにくれてやるつもりはサラサラ無い。 「……好きだ……愛してる……生涯傍にいて?」 「……いまさら……だろ……ハッ、んんッ……」 僕の耳元でそう囁いて耳朶を甘噛みする。より一層、強く腰を打ち付けると仰け反り、甘い声を上げる…… 「やぁぁぁんんッ、アッ、アッ、アッ……」 気持ちイイ…… 「……ほら……一緒に……イこう……?」 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」 悲鳴のような声を上げて白濁を噴き上げる。僕もケントの中に熱い飛沫を打ち付けた。 「……そのまま、次にいくからね……?」 「……ムリ……いぃぃぃぃぃぃ!!」 そう言いながらも腰を揺らすその姿は妖艶な艶をまとっていた。

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