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ロレンソ・ジョルダーノ 1

「お加減はいかがですか?ボス」 昼間は家政婦が、夜は私はボスの身の回りの世話をしている。それには理由がある。 「ロレンソ……すまんな、お前には汚れ仕事ばかりさせて……」 「大丈夫ですよ。ちゃんと私の分の泥を被ってくれてますよサルヴィオは。彼の強さには目を見張ります。あの日本人が来てからはなおさらに、あの若さで2人とも有能です。日本人というのはよく働く人種だと聞きますが間違ってないようですね。表の業績も上がってますし、ケントという青年が連れてきた落ちこぼれたちも今よりは這い上がろう、と思ってるようです」 ボスはほぼ寝たきりになってしまっているが、半身不随の重症な方ではあるが、不能ではない。私は彼のパジャマのボタンを外し、下半身は膝下までパジャマを下ろす。念入りに舐めて大きくさせると私は跨いで、腰を下ろす。すでに舐めてドロドロに濡れたそのはすんなりとボスのペニスを飲み込んでいく。 私は男性型のふたなりだ。男として女を抱くこと出来るが、女として抱かれることも出来る。胸はないが、女性器はあるのだ。 「あっ……イィ……固くて、気持ちイイ……」 「私は動けんからな。好きに動くといい」 唯一動く左手で私の動きに合わせて陰茎を扱かれる。まだ、この人と関係を持った頃は、見た目の性別がどちらなのかわからなかった頃だ。 この人の期待を裏切って男型のふたなりだったが、今でもこうして私はボスの性欲処理を兼ねて世話を続けている。こうなった犯人を見つけようとは思わない。それがこの世界で、ボスがドンを寝たきりにさせたように、生かさず殺さずの裏の顔で存在がある限り、は暗躍出来るということだ。 私には興味があった。こんな私でも妊娠することが出来るのだろうか?関係を持って10年以上経つが、出来たことはない。毎日してる訳では無いし、私の気の向いた時しかしないからなのか、それとも、私には排卵がないのか…… 最初は体を撫でたり、舐めたりされ官能を教えてもらっていた。一定の年齢からは、セックスをするようになった。前のドンが亡くなり、アンダーボスだった今のボスがボスになって私たちは、暗殺の授業も受ける。 その暗殺に成功したものの大体がのし上がっていく。その中でもサルヴィオは飛び抜けて優秀だった。流れ弾と称してこの人を半身不随にしたのもサルヴィオだろうと思っている。 あの日本人を呼び寄せるまでは近寄りがたささえあったのが、彼が来てから柔和な表情を見せるようになった。 次のボスになるのは彼だろう。私はそのままアンダーボスを引き継ぐ……そして彼を…… 私と同じ目に合わせることは簡単だろう。けれど、呼び寄せた相手は案外と頭がいい上に、洞察力も鋭い。すぐに察して私が恨まれることは間違いなく、会社の業績も落とすだろう。表向きの会社があるからこそ、裏が動きやすくなるという部分では、彼を手懐けなければならないけれど、サルヴィオは肌身離さず彼を連れ歩いている。なかなか難しい交渉だ。 「……あなたの、子供を産みたい……」 「イバラの道をあゆむことになるぞ?」 ボスはそういうけれど、この男の遺伝子を残したい…… 「あなたが好きなんです……んッ……あっ、も……イきそう……一緒に……アァ!!」 私が白濁を吹き上げると同時に、躰の奥に熱い飛沫を感じる。それにも恍惚感を覚える。 彼が萎えてしまうまでそのままの体勢でいる。 ズルっと抜くと彼の出したものが、引力に負けて出てくる自分はティッシュを挟み下着をつけると、彼の体を暖かく濡らしたタオルで清拭をしてパジャマを整える。 私の躰でもイッてくれることが嬉しい。私が子供を産める年齢までの間には1人は授かりたい。そう思っていた。 私は数ヶ月後、体調不良が続き、伏せることが多くなった。その間にドンが亡くなり、事実上、ボスがドンになった。アンダーボスであったサルヴィオが私をボスに推薦来てきたのだが、この体調不良でそれを受けることが出来ず、サルヴィオがボスの座に着くことになった。どちらにしても私は夜側の人間だ。 薬を飲もうにも何を飲んだらいいのかわからないこの症状を心配したサルヴィオは、パートナーのケントとともに病院に付き添ってくれた。

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