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Prologue-3

……… …… … 放課後……学校が終わってから見える空は、日も暮れかかっていて、まだ少し明るかった。 でも、周りはすでに暗くなり始めていて周りの暗さと空の明るさとで明るいのか暗いのかよくわからない。 夕方のこの時間、優斗はあまり好きではなかった。 (なんかちょっと、色々見づらいし、それに不気味だし) 目が明るいのを基準にしていいのか暗いのを基準にしていいのか迷ってるみたいで時々目がちかちかする感じがした。 昔の人はこの時間を逢魔が時とか言ったらしい。暗さと明るさのいりまじったこの時間の空間は幻想的で綺麗と感じる人は多いかもしれない。けれども、優斗は不気味だと思っていた。 今日は、優斗はもっと早く帰る予定だった。だけれども、帰り際に、同じクラスの女子に呼び止められてしまった。 「ちょっと、山内くん。今日は委員会の日でしょ?いつもサボってるんだから。今日は出てよね」 そうだった、今日は委員会だった・・・。好きな本を図書館に入れられるとかなんとかそそのかされて入った図書委員会だったけど。 こうやって、一週間に一回は委員会に呼ばれるし、しかも、本のメンテナンスとか言って、遅くまで残される。 図書委員は女子が多くて、メンテナンスが終わった本を運んで元の場所に入れるとかいう力仕事作業は優斗のような数人の男子生徒に押し付けられたし、好きな本を入れられると言われたのに、女子の好きなものばかり入れられて自分の好きな本なんて一向に入れてくれなかった。 だからだんだん嫌になってきて、最初の頃は真面目に出ていたけれども最近はサボっていた。それを見つかってしまったわけだった。 それで優斗は、今日、遅くまで学校に残る羽目になってしまったのだったが、帰りが遅くなるのがいつもいやだった。

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