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向こう側の世界-5

(一体、今何が起こった?) 優斗にはその状況を把握できなかった。 気が付けば、ギオは突然消えて、目の前に違う誰かが立っていた。 「・・・ユウト!!」 先ほど見た銀の髪と紫の瞳の騎士?っぽい男だった。優斗はぼんやりとその男を見上げた。 (助かったの?) でも、この男が果たして自分の味方かそうじゃないのかわからない。だから、優斗はその男からも逃げようとした。だけど、震えて、足に力が入らない。立ち上がれないまま、ずるずると、後ろへ退いた。 「大丈夫。私は、ユウトには危害は加えないよ。ユウトは私の大事なパートナーだから」 彼は、自分のマントをはずして優斗を包み込むようにした。 (パートナー?たしかギオもそんな事を……"皇子のパートナーだから……"って言っていたけど……?) 「助けるのが遅くなってすまない」 そっと優斗を抱き起こす。 「何処が遅いんだよ?来るの早いんだよ。ランフィス。全く、危ない危ない」 ギオは2人からだいぶ離れた所に退いて肩口を手で押さえて立っていた。その肩口は血が吹き出ていた。 「ギオっ!!!!」 優斗を自らの身体で隠すようにして後ろへ庇うと、ランフィスと呼ばれたその男は剣をギオに向かって構えた。 「安心しろ、お前のユウトは未だ純潔だから。わかってるだろうけど」 そう言って、ギオは近づいてきた。 「来るな!!もうお前にユウトは触れさせない」 ランフィスはギオを睨みつける。優斗に対する表情とまるで違う冷たくて怖い表情だった。

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