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向こう側の世界-6
「だったら、何故、俺の首をすぐ刎ねなかった?その剣なら出来ただろう?」
「それは、ユウトの身体にお前の汚い血が付くからだ」
「は。お前は甘いな。ランフィス」
そしてギオがもう一歩、踏み出した時……。
「クソッ。お前のあの怖い魔道士の気配がしてきた。お前が甘くても、あいつはそういうわけにはいかないからな……」
そう言ってその姿がどんどん霞んでいく……。暫くしてまるで霧のようにギオが消えてしまった。
「消えた・・・?」
優斗はホッとしたとたんに、へなへなとその場に蹲るように座り込んでしまった。その途端に怖くなって身体が震えて来ていた。ランフィスが優斗をその覆ったマントの上からそっと抱き締めて安心させるかのように撫でる。
「大丈夫。私がもう怖い思いをさせない。本当にすまない。もっと早くこれたなら。こんな怖い思いをさせなかったのに」
「あ……。アレは誰?彼は一体何?ギオって・・・何で、あんな事」
「あの男はギオという。闇の皇子。あいつは、あなたの純潔を欲しがっている」
「純潔??だって俺は男だから、そんなの関係ないんじゃ……」
「性差は関係ないんだ。必要なのはその気の力。私の、皇子である私のパートナーである者の純潔を奪えばその力はより強大になる……。そう言われている。だからあなたを奪いに来た。やつは力を誇示したいんだ」
「気の・・力・・・?」
(……怖かった……あのままでいたら俺ってレイプされてた・・んだ。そんなの……)
優斗の身体はまだ震えていた。その身体をそのままランフィスに預けて抱き締められたままで、でも、それは妙に安心感があって……。
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