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ランフィス-1
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優斗が目覚めたのは、すっかり辺りが暗くなっていた時間だった。とても長い夢を見たような気がして、眠っていたハズなのにとても疲れていた。
(よく分からない夢だったな…)
よっぱど疲れていたのか、何時どうやって学校から帰ったのか優斗にはよく思い出せない。こうやって自分の部屋のベッドの上にいるからどうにか帰ったのだと思った。
やはり、放課後の図書委員の活動って疲れる。次回はまたさぼろうかな…とか思いながら、眠い目をしっかりと見開くと……。
(あれ?)
いつも見慣れた自分の部屋の天井とは違う。
天井が低く優斗が立ち上がって手を伸ばせば届きそうだった。布団がやたらふかふかとしていて、自分がいつも寝ていた布団はこんなのじゃなかった。
(まさか…・?)
思わずがばっと起き上がる。掛かっていた薄い綿の入った上掛けとシーツが優斗が起き上がったと同時にふわっと煽られた。あきらかに高そうな素材の布団だ。
部屋の様子は暗くてよく分からない。
(夢はまだ覚めていない?)
天井が低いと思っていたのは寝ていたベッドに天蓋が付いていたからだった。
(こんなのテレビとかでしか見たことないんだけど)
その天蓋に下りていた薄い布を誰かがそっと捲った。
「……誰…!?」
驚いた所為か優斗の声は少し震えていた。
「すまない。驚かしてしまった」
ランフィスだった。
「ランフィス……?じゃ・・夢は覚めていない…の…?」
夢が夢のままなのか、それとも…?優斗は混乱していた。
ランフィスは騎士のような服装ではなく、もっとシンプルで、ラフな白っぽいシャツに黒っぽいスラックスなようなものを着ていた。色味は暗くてはっきりよくわからない。だけど、シンプルなのにとても格好が良い。こういう普通のスタイルでいるなら、ランフィスの言う向こう側の世界の人もこちら側の世界の人も同じ様に見える。
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