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ランフィス-2
(これは現実なの?)
優斗は、頭が回らずただぼんやりとランフィスを見ていた。
「気分はどうですか?」
ランフィスは心配そうな表情をしている。
「あなたのように、別の世界から来た人はまれに、こちらの世界と合わずに病になる事があると聞いた。だから、何かあったのなら言って欲しい」
優斗はしばらく何も言わず、ずっと考えていた。
「……ランフィス……俺は、本当に違う世界に来ているの?これは現実 ?それとも夢?」
誰かに……この世界が夢だって…言って欲しい。優斗はひたすらそう願った。
だけどランフィスの答えは。
「……夢ではないよ」
そう言ってベッドのふちに腰かけ優斗の頬にそっと触れる。
「こうやって、ユウトに触れると、呼応する……ユウトもそう感じているはず」
たしかに、ランフィスに触れられた頬が温かくなっている。
「呼応?」
(こうやって、触れられた場所から、どんどんと身体の中が熱くなるような……これ…のこと?)
「ユウトは私のパートナー。同じ印 をもつ」
「俺の足の付け根にあるやつ?」
すると、ランフィスはふいに優斗を抱きしめそのベッドに倒して耳元で静かに囁いた。
「……このまま抱きたい」
その言葉を聞いて優斗の心臓がドキっと跳ねた。囁かれた耳元へ向かって血がどんどん巡って、耳と頬が熱くなっていくのが分かった。
「俺は男だよ」
(……なんで、こんなにどきどきするんだろう?)
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