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ランフィス-4
と、ランフィスが抱き締めるのを止めて、不意に起き上がる。同時に優斗の腕をそっと引き寄せて静かに同じように起き上がらせた。
二人はベッドの上に向き合うように座っている状態になった。
「こうやって、掌を上にしてみて?」
ランフィスが両掌を上に向けて優斗の目の前に出して見せる。
「てのひら?」
優斗は言われるまま両手を差し出すようにして掌を上へ向けると、そこへ、ランフィスが自分の掌を優斗の掌へ被せて載せる。
「これって何?」
「私と、同じ印のあるユウトとなら私はすぐに同期できるはず」
「同期?」
「この世界のしくみを説明するよりも、直接ユウトに見せたいから」
「え…?でもどうやって?」
「大丈夫。目を閉じて」
言われるまま優斗が目を閉じると、頭の何処かで音が鳴り響きだした。それは、濁流みたいなゴォーっという轟音。
それを聞いているうちに、優斗は意識がBlack outしていった。
……………
………
…
意識は沈み込む
意識はふわふわとまるで木の葉のようにまるで水の中に漂う泡のように
自分が自分でないような
そんな感覚。
(ここは何処なんだろう?)
優斗は不意に目の前が明るくなったように感じて目を見開く。そこは、ゆらゆら揺れる炎で灯りをともしたようなぼんやりとした空間で。
でもとても暖かくて優斗にはとても心地よく感じた。そこに誰かの人影が見えた。
(あれは……?ランフィス?)
ランフィスを見た気がした。
フラッシュのような映像がどんどん優斗のアタマの中に流れ込む。それはまるで、凝縮されたピースが降り注ぐみたいだった。
…………
……
…
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