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ランフィス-5
……
…………
………………
「ユウト……!」
優斗はランフィスとの同期が始まったと同時に気を失ってしまっていた。力の抜けた優斗の身体を抱き支えながら必死で何度も名前を呼ぶ。でも、何度呼んでも優斗は全く意識を取り戻す様子を見せない。
「ビィ!…ここへ!!」
ランフィスは慌てて何処かにいるはずのビィを呼び出す……。
すると、
暫く経ってから、近くの空間が揺らいだようになると……。
「お呼びですか?」
そこに、ビィが立っていた。そして、その優斗の姿を目にすると。
「……これは…あまりご無理をさせてはいけないと言ったはずですが……」
ビィは少し咎めた様な口調で言った。
「違う。私もそんなに行きなりなどしない。ユウトにはまだ何もしてない。そうではなくて……」
ランフィスは優斗と記憶を同期したとたんに気を失ったと説明した。
「同期は『気の流れを同じくする者同士』、又は『気の流れを相手に合わせる事が出来る能力がある者同士』ではないと、なかなか出来ることはないのです」
暫く考えたようにしてビィは
「……ユウト様をこちらへ。意識を戻します」
そう言ってユウトの頭に両手を当て何か唱える。
「印(しるし)は呼応していた。気の流れもあった……」
言い訳をするようにランフィスが呟く。
暫くの時間の後、青白い優斗の顔に赤味が差す。そして行き成り咳き込み、その瞳を開いた。
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