20 / 379

ランフィス-6

優斗が目を見開くと目の前には心配そうに覗き込むランフィスの顔があった。 「……俺、ランフィスの夢を見ていた…それはとてもリアルで夢ではないみたいで。ふれるとランフィスを感じることが出来た」 優斗はまだ夢の中にいるみたいで、この夢が冷めないうちに忘れないうちに話してしまわなければと思って一気に言ってしまった。 「気がつかれましたね?」 ふと隣を見るとビィがいた。 (なんで?ビィがいるんだろう?) 優斗が疑問に思っていると、ビィが言った。 「皇子と同期してから、あなたは意識を失ってしまったんですよ……」 「……同期……?」 (……そうだ、確かランフィスが"同期"するって言ってた。それで凄く色々な"何か"がアタマの中に入りこんで来た……) それでそのまま意識が飛んだ……んだ。優斗は色々思い出してきた。 「あなたが見たものは『夢』ではなくランフィス様の『記憶』そのものです」 「記憶?」 「ランフィス様の記憶をそのまま送ったのです」 アレがそう・・?そして、優斗はランフィスを見て小さく微笑んだ。 「ランフィス。俺……」 何かを言いかけてすぐ、優斗の瞼はすぐ下りてしまって、再び、意識が途絶えたように見えた。 「ユウト?!」 .

ともだちにシェアしよう!