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再び-1
……
………
…………
深い闇
深い深い
漆黒の・・・
底が見えないほどの闇
光は消える。
光はすべてその闇に吸い込まれる。
『ここは。何処?』
優斗は囁くように小さく声を出した。
目を見開いても、自分が何処にいるのか、果たして自分がそこに存在しているのかさえ……。優斗にはよくわからなかった。
(また、ランフィスの記憶の中に入っているの?)
だけど、違うような気がした。
(ここは"暖かくない"この場所はとても不安で・・心地悪い)
『こっちを見ろ。ユウト』
突然、優斗の耳?ではなく頭の中に声が響いた。だけど、こっちを見ろと言われても何処を見ていいかわからなかった。
『ここだ!!』
そう大きく声が響いて優斗の目の前に行き成り誰かが現れた。
「ギオ??」
それは、黒い髪と燃えるような赤い瞳のギオだった。暗いのにギオの身体はよく見えた。
「そうだ。ギオ……"様"だよユウト。皇子は未だお前を抱いてないんだ?あの皇子らしいよな。では俺はお前を心おきなく頂けるっていうわけか」
ニヤリと笑ったその顔はとても冷たく恐ろしかった。ギオの顔がどんどん優斗へ近づいてきて……そして、ペロっと頬を舐めた。
「俺は、お前の全てが気に入ったんだよ」
そう言って優斗の唇に深く口付けた。
(やめてやめてやめて……やめて……だって俺は……)
身体が思うように動かないし声もなかなか怖くて出せない。
「やめて……」
優斗は掠れた声をやっと上げた。
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