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再び-3
……
…
気が付くと、優斗のベッド脇に杖のようなものを掲げているビィがいた。
「……あ…」
喉がからからに渇いているみたいで声が出ない。何処にもギオはいない。いなくなっていた。
「ご無事ですか?」
ビィは心配した様子で優しく優斗に話し掛けた。
「……今ギオがいた。何で?ギオがいたんだ?」
その疑問にはすぐビィが答えた。
「今のアレはおそらくギオの影です」
「影?」
「そう、本体ではありません。ギオの持つ力は強い。影でも本体とほぼ変わらぬ力を持っています。ただ、影とはいえまさか、結界が張られているこの城の内部にまで入り込むとは……」
ビィは暫く考え込んでいたかと思うと、突然、
「失礼します」
優斗に近づいて首の根本をそっと触れる。その指先が少し冷たくて、優斗は少しビクッとなる。
「……申し訳ありません。驚かせてしまって。しかし、これは。……首の左側に。ギオに、印 を付けられましたね」
「印?……足にある皇子とのやつのじゃなくて?」
「皇子との、"パートナーの印 "は、それは、揺ぎ無く。容易く消せるものではありません。この、ギオが付けた印 はまた別のもの」
「違うの…?」
「消しましょう。少しじっとしてくださいませ」
「……消すって…どういう?」
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