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再び-4
ビィは、優斗の首すじに手をかざした。すると、その手から、温かい何かが流れてきた。先程までは、とても冷たく感じていたそのビィの指先とは思えないほどだった。それとともに、ピリッとした鈍い痛みが首筋に走る。
「……ッ!!」
優斗が少し、顔をしかめると、ビィが申し訳なさそうに謝った。
「申し訳ありません。もう少しで終わりますので」
ビィに手をかざされていた場所はどんどん温かくなってきたが、暫くするとその温かさがすっと消えた。
「……終わりました」
「何故、こんなところにギオの印 が付けられていたんだろう」
「恐らく、最初にこの世界にいらした時、ギオと接触した時にではないかと……」
ビィは険しい顔をしながら言った。
「…闇の皇子の…印は"その口付けによって付けられる"のですよ」
「口付け・・・って?キス??」
"・・・あ?"
(最初にキスとかいっぱいされた。それに首には、すごく痛いほどのキスをされた。アレ……?)
優斗はカッと顔が赤くなる。
「闇の皇子の印は、ランフィス様との"パートナーの印"とは違います。彼のは自分の獲物に対しての印。その獲物が何処にいようと、付けた主 には分かってしまいます。そして、その場所を手繰り寄せて行ける。……おそらく、ユウト様に付けた印に引き寄せられて来たのでしょう」
"……本体ではなかったのは。ここの結界が強力で、影のみしか近づけられなかったのでしょう"
そうビィは言った。
「それにしても……やはり、ユウト様をお独りにするのは危険すぎました」
(皇子をレン様の所へなど行かせなければよかったですね)
ビィはひとりごちた。
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