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再び-5
「何故。何で俺ばっかりなんだ?何で俺に印が付いてるんだ?どうして・・・何で俺なんだ」
"・・・元の世界に帰りたい・・・"
(逃げよう)
優斗は寝ていたベッドから急いで降りた。着ている服がやたらもたついたけれども、構わなかった。
服は、優斗が向こうの世界から着てきたものでは無く、こちらへ連れてこられて寝ている間にいつの間にか着替えさせられた何か白くてローブじみた服。やたらふわふわしていて足元が不安になってくる。
「ユウト様!?」
ビィが驚いて声を上げる。
だけど優斗は、気にせず小走りに部屋を横切って、ここから逃げ出せると思しきバルコニーへ向う。
(っていうか、部屋でかすぎる。"皇宮"って言っていた。今は夜だし、ここの照明は多分、電気なんかじゃない。明かりは燭台の灯のみだから暗くて良く分からないけど、きっと部屋の家具とかすごい豪華なものかもしれない)
そんな事を想いながら優斗はバルコニーに通じる窓にあと少しでというところまで来た。だけど
「ユウト様、お待ち下さい!!」
後ろにいたはずのビィが急に目の前に来て立ちふさがった。
「どいて」
かまわず、ビィを避けて通ろうとしても、何故かその足が動かない。
「なんで?」
「申し訳ありません、少しお止めさせて頂きました」
「どうして・・・・?」
「ここから外へ出たとしても、元の世界には戻れません…」
「いいからっ。ここはもう嫌だ。ここにいたくない」
「皇宮には結界が張ってありますが、ですが……。今は夜。夜は闇が世界を支配しています。ユウト様がお1人で外に出るのには危険すぎます」
「……じゃあ、俺はもう帰れないの?」
ビィはそれには答えず、そっと優斗の額に手を当てた。
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