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レン-1

… ……… ………… 「異世界人のパートナーは可愛いいんだよね?」 ランフィスがレンの部屋にいくと開口一番にそんな事を言われた。少し茶がかった黒い髪で緑の瞳のレンは、ランフィスの側近で幼馴染でもあった。 だから、こうやって2人きりの時は主従の関係なく幼少期と同じように接していた。気兼ねなくいられる関係というのはランフィスにとって有難い存在であったが、だけれどもそれ以上の関係でもあった。 「可愛いよ。異世界の人とは思えないぐらいだった」 「本当に?異世界人は野蛮でガサツって聞いたけど」 「いや、逆だ。彼は、こちらの世界の住人よりも華奢で……」 一生懸命に優斗を庇うように言うランフィスを見てレンは軽く笑った。 「わかってるよ。ユウトは……本当に華奢で可憐だって侍女から聞いた。何処かの姫君みたいだって」 "本当に姫君だったらよかったのに……" そっとレンがランフィスには聞こえないような声で呟く。 「それで、何でそんなに可憐な姫君を置いてきて俺のとこにきちゃった?彼はランフィスを嫌がっていた?」 「……(しるし)の力でそれは無い。むしろ、ものすごく引き合った」 「だったらいいだろう?」 「だから。それは印の力であって……」 「いいじゃない。身体だけ引き合ってれば」 「……それは違う」 「"彼"には優しいんだね。でも、だけど、俺の所に来てくれたのは嬉しい。約束したよね俺はずっとランフィスのものだって」 「……それは、わかっている」 ランフィスはレンがイラついているのは分かっていた。レンは神に選ばれない、パートナーである(しるし)がレンに現れる事はない。(しるし)は"近しい者"には現れない。それがこの世の(ことわり)で、神の定めである事。それは、レンにも分かっていたはずであった。 「印がなくたって、俺はランフィスのものだから……。だから、」 「だから、2人きりの時は皇子と侍従の関係は無しにしようっていうのは・・・わかっているよ」 "それは違う・・・・" そう囁いて、レンはランフィスの唇へそっと口付けた。 .

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