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現皇-1
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優斗が眠ってから数時間で朝日が差し込んできた。綺麗なキラキラ光る日とともに、朝のひんやりとした空気が開いた窓から流れ込んでくる。
辺りの闇の色は群青色になり、朝日とともに闇は消え失せていた。
窓を開けたのはランフィスだった。
それは、昨夜、優斗がその窓に通じるバルコニーへ出ようとした窓だった。
日の光が入った空気が軟らかい風とともに一気に部屋に流れ込む。
その日の光の所為か優斗は目を覚ましてしまって、天蓋の薄布が風で少し揺れているのを何ともなしにぼんやりと見ていた。
(やっぱり、朝になっても、俺はここにいるわけなんだよね)
それは、夢ではない現実に引き戻される。
(俺は一体どうなっちゃうんだろう?)
優斗はだんだんと頭がはっきりするにつれて昨夜の事が思い出されてきて、ぶるっと身じろいだ。それは風で寒いのかそれとも、昨夜の怖さで寒気がしたのか優斗には解らなかった。
(ランフィスから流れてきた記憶の渦。すぐに、自分はその渦に飲み込まれてしまって分からなくなってしまった。でも……)
いろいろな事がありすぎて頭で理解するのに追いつかない。
そうこうしていると、優斗は現皇へ謁見するからと、言われて、直ぐ様支度を促された。
昨夜から着せられたゆったりとした部屋着に近いものではなく、しっかりした布地のチュニックのようなもっと裾が長い仕様の服に優斗は着替えさせられた。
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