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この世界の理-1
朝の皇への謁見の後、ランフィスと揉めたようになってしまった優斗は、自分の部屋……といっても、昨夜から優斗がいる部屋に籠ってしまっていた。
ランフィスに手の甲へ口づけされてからの事で、優斗はもやもやしていた。印の引き合いによる、熱さはあった。だけど、ビィから貰ったブレスを付けた後の、ランフィスが自分の頬に触れた時のアレは。あれは違う"何か"だった。心の奥からの何かの感覚。それが何なのか優斗にはわからなかった。
昨夜、ランフィスが行った優斗との同期はこの世界の成り立ちと、そして"記憶"を優斗へ伝える為だった。
それは、ランフィスの記憶であって、この地の記憶でもあった。だが、それは、上手くはいかず、優斗は昏睡状態になってしまった。優斗はランフィスの記憶を捉えることは出来たが、それは、断片的でしかなかった。中途半端な理解で優斗にとってはさらに不安になる原因にもなっていた。
暫く経ってから、ビィが部屋にやってきた。部屋に籠ってからは、優斗は誰も部屋に通していなかった。
「ユウト様、失礼します」
優斗はビィも部屋に招き入れるつもりはなかったのだが、部屋の大きいゆったりとしたソファーのような椅子にただぼんやりと座っていたのに、ビィが行きなり入ってきたのを不思議そうに思って見ていた。
「申し訳ございません。術を使って勝手に入らせて頂きました。ランフィス様が心配されていますので」
ビィはそう言って頭を下げた。
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