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この世界の理-2
「顔色は悪くはないですね……。こちら側の世界の事などまるで知らないのですから不安になられるのはもっともな事です。本来ならもっと早くに世界の成り立ちを説きたかったのですが……。しかし、私は、昔、ユウト様の世界にいた事があります。だから、その違いを解っているつもりです。よりユウト様に解りやすく世界の事をお教えする事が出来るでしょう」
ビィが言うと優斗は吃驚した顔をした。
「ビィは向こうの俺のいた世界にいたことがあったの?」
ビィが自分のいた世界をよく知っている、いた事があるという事実に優斗は嬉しかった。
(こっちには全然向こうの俺のいた世界をまるで知らない人ばかりで……すごく……心もとなかったから)
少しでも自分の事を分かってもらえると思うと心強かった。
「でも、ビィはいつ頃にいたの?」
「恐らくユウト様のいた時代より、はるか昔です」
それを聞いて驚いた優斗は思わず聞き返す。
「え?昔って?ビィって一体、何歳なの?」
それにはビィは少し微笑むだけで答えなかった。
(答えてくれない?ビィってよくわかんない人……)
優斗はこのビィという人はなんか捉えどころのないよくわからない印象を受けた。
「昨夜のランフィス様との意識の同期でユウト様は断片的に視えていたとは思いますが、理解はまだされていないと思います」
優斗はしずかに頷く。
「だけど、ランフィスの訴える気持ちは解ったんだよ。でも」
だけど、理解はしていない。
「だから、混乱してしまっているのだと思います。これから暫く、こちら側の世界の事をお話しましょうか」
優斗はビィにこちら側の世界の事、世界のしくみ、あちら側の世界の違い、色々と話してもらうこととなった。
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