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この世界の理-5

「でも……」 「より相性のいい気の力を持つパートナーを選ぶのは、それは神が決める事。皇子はその同じ印を持つユウト様を早急に探しパートナーとして迎える必要があったのです」 そして、皇と継ぐ者とパートナーのその原理は、 継ぐ者になるには(しるし)がある事。 皇にしかその印を持つものは探せない。 そして、印が出る者は皇の子ではない。 皇、そしてそのパートナーの間には男女であっても子は成せない事が多い。 なぜなら、パートナーとの間でのSEXは気の力の交わりでありその能力はすべて気の力に変わるからだ。 皇の(しるし)が在るものは皇の血を引く一族の者から必ず生まれる。 それは、一人の皇が成った時に必ず現れる。一人の皇に対して一人の継ぐ者、不測の事態がおこらないかぎりこれは定理である。 一族の者から生まれる為、後継者たる継ぐ者は比較的早く見出す事が可能であり、赤子若しくは幼児の時に皇子として早くに迎え入れる事が出来る。 その継ぐ者となった皇子はパートナーを探さなければ次期皇にはなれない。 しかし、皇子のパートナーは、その皇子が成人した後にその皇子にしか探せない。皇子と同じ印を持つパートナーは、この世界の何処かにいて、それはお互いに引き合い、皇子にしか見つけることが出来ない。 これが、この世界の不文律であるとビィはそう語った。 「だけど、何故、この世界ではない異世界の者であるこの俺に(しるし)があるの?」 そう、それがとても優斗にとって不思議だった。

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