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継ぐ者-4

… …… ………… 部屋の中央にある大きめのソファーに2人ならんで座って、ランフィスはゆっくりと話しはじめた。 「こちらの世界の原理は大体ビィから聞けたんだろうか?」 そう言われて優斗は静かに頷いた。 「皇が継ぐ者を探すのは、比較的安易と聞いたかと思う。継ぐ者の(しるし)を持って生まれるのは一族の男児のみだから。すぐ探せるのはそうなんだ。でも、今の皇のバスティンはなかなか私を探し出すことが出来なかった。皇はその責務をこなすのに精一杯で、継ぐ者を探し出す体力が無く、なかなか探し出せなかったんだ」 「……ランフィスはいつ、継ぐ者として成ったの?」 「……私が、(しるし)が現れて今の皇のバスティンに探されて継ぐ者として成ったのは、遅く4歳の時だったよ」 「えと、本当だったなら、幾つぐらいに成るの?」 (4歳でも子供だし幼児だし遅いってことはないよね?)優斗は疑問に思う。 「今までの継ぐ者はだいたい一歳未満の赤ん坊の頃に連れてこられたんだ。でも私は物心がついた4歳だった。だからしっかり、父母の記憶もある。私が生まれた場所はここよりもずっと田舎で、父や母もまさか、自分の子供に印が現れるとは思ってもいなかったらしい。皇の血縁者の一族といっても私の家はものすごく遠縁だったから。4歳でここへ来たときにはあまりにも環境の違いに自分はずっとずっと泣いてばかりいたよ。遅くに印を見つけ出されてここに連れてこられた事に今の皇をずっと恨んでいた。もっと早くに赤ん坊の頃にここに来たなら、父や母の事なんて覚えてもいなかっただろうに・・と」 「でも、同じ世界だし、お母さんお父さんとは会えるよね?」 「それは出来ない……。印を持つ皇子は継ぐ者としての教育をされる。しかも、様々な世間からの危険も避けなければならないために、滅多には皇宮の敷地内からは出られないし、限られた者しか謁見も出来ない。さらに私にとって不幸な事に、先の継ぐ者が暗殺されて、ますますその傾向が強くなっていたんだ。堂々と城の外へ出られるのは、成人して自らそのパートナーとなる者を探す時のみだ」 「え?暗殺……って?」 優斗は突然そんな単語を聞いて吃驚する。

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