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継ぐ者-6

ランフィスは、一旦を話すのを止める。 「すまない。ずっと、私の話ばかりで、だけど、意識の同期ができないとなれば、こうやって話すしか無い……私をもっともっと知ってもらいたいから」 「……大丈夫、俺もランフィスの事をもっと知りたいから。だから、もっと話して」 ランフィスの紫の瞳がじっと優斗を見つめた。 「……すまない。きっと私だけがユウトの気持ちを分かってあげる事が出来たはずだったのに。だけど、何もかも急いでしまったことは……だから、今は、私は……」 そこで、ランフィスの思考が止まった。優斗が優しくその頬へ触れたからだ。 その優斗の手をランフィスはそっと包み込むように掴む。 「そんなに、"すまない"ばかり言わなくても、もういいよ……」 「ユウト…?」 「印が引き合わなくてもこんなにも触れる手が熱くなっていくのは……何故?」 優斗がそう呟くとランフィスは優斗をぐっと引き寄せ、 「この鼓動が聞こえる?」 胸に抱き締める。 「ユウトがこの腕の中にいるから鼓動が早いんだよ。ものすごく。印の引き合いがなくてもユウトを抱きたいと思っている」 "……それはずっとずっと、なんだ" 「……それは……」 "……俺も同じ" 優斗はランフィスの瞳を見つめる。 ランフィスも優斗の瞳を見つめる。 お互いの瞳にお互いが映る。 そして、ランフィスは優斗の唇に優しくキスを……。 「……あ…」 思わず小さく吐息なような声を出す。優斗は印で引き合った時とはまた別の、違う"何か"を感じた。 柔らかくて暖かくて心地よくて、心の中が、 "溶ける" みたいに。 優斗は譫言のように口に出す。 「……抱いてよ…」 ランフィスの目が大きく見開く……。 「ユウト?」 ……それは……"いい"ってこと? ランフィスが小さく囁く。 ランフィスの見つめるその紫の瞳から目を逸らさずに優斗は小さく頷いた。 「……ユウト……」 "止まらない。止められないよ?" 「……いいんだ…」 "……だって、ソレを知るのには……" 優斗はそっと目を閉じた。 ………… …… … .

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