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光の渦-4
…
…………
優斗が気が付くと、空が目の前に広がっていた。
窓から見えるのではなくて、吹きさらしの何処かにいる。なんとなく頭の中に浮かんだものは、昔、幼稚園ぐらいの頃によく行った近所の公園の見晴台だった。
公園でいちばん高くて、そこから滑り降りるゆるくカーブのかかった滑り台がすごく面白かった。その見晴台の屋根はちょっとお城のてっぺんみたいな形になっていて……。
(なんだろう?夢?ここって夢の中?)
ぼんやりと優斗がそんな事を考えていると、誰かの人影が見えた。
その人は背中を向けて立っていた。
「ランフィス……?」
ランフィィスだと思って起き上がろうとすると、優斗は自分が何処か柔らかい場所に寝かされている事に気が付いた。
だけど、ここは優斗の部屋では無い。
「ユウト?気が付いた?」
ランフィスが優斗の声に気が付いて振り返る。
「…ここって?」
それには答えずにランフィスは優しく微笑むだけだった。
「……今からこの光の力を地に降らせる」
(光……?自分から出て行った光……。そうだ、俺、ランフィスと……)
それは、気の力の交わり。嫌ではなかった。
……寧ろ。
自分から光が出てそしてランフィスに向かった光。
優斗はあれが『気』だったとしてそれがどうなるんだろうと思った。
優しく微笑んだランフィスはそのまま祈りのように、左右の手の平を空へ差し出した。
そしてそこから湧き上がるように光が……。
柔らかい光。
だけれども、その光は、すぐさま、光の渦へ変わった。
それは、光の波
それは、光の爆発
ランフィスを中心に周りから光が渦になり、さらに球のように膨らみ……辺り一面に広がる。
光と共に辺りがざわざわとして、騒がしくなって来た。
あまりも、強烈な強い光で優斗の周りは、真っ白になり目が眩んだ。
だけど、その光の爆発はほんの一瞬の出来事だった。
あっという間にあたりは静かになり、そして何事もないように暗くなる。しかし、明らかに違うのは、闇が広がっていた地が僅かにキラキラ光っていた。
「……ユウトのおかげで、もう一度光を地に蓄える事が出来たんだよ」
その声は優斗には、夢の中で聞く声のように聞こえた。
………
……
…
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