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湯の中-1

湯は熱くもなく、冷たくもなく、どちらかというと、ぬるめのお湯で、いつまでも入っていられる感じだった。湯船は広くて優斗はなんだか泳げそうな感じだと思った。 (誰もいないしちょっと泳いでみようかな?) 泳いでみると、なんかとても気持ちよくて、湯船で泳ぐとかこんなこと、小学生以来かも?と、思いっきり優斗はバシャバシャ音を立てて泳いだ。 すると、何処かでくすくす笑う声がした。 優斗が顔を上げてみると、ランフィスがいて笑っていた。しかも風呂に入る体勢でいる。 (今の見られた??)と、焦る優斗。 「ランフィス。なんでいるの?」 「……ユウトが風呂に入るというので、一緒に入ろうと思った。まさか泳いでいるとは」 「あ、、だって誰もいないと思ったし、、」 「いや、ユウトはかわいいな」 (いやそこは違うと思うんだけど) 明るい日差しの中でランフィスを見ると、筋肉隆々とかではないけれども、それはとても、堂々として、整っていた。 優斗は自分は貧層な身体ではないと思っていた。だけど、なんだろう、根本の骨格が違っている。 こういう場所では普通、一般的に隠すところは隠すもんなのにランフィスは、一切全く全然隠しもしないでいる。だから、やはり、ある部分に目が行ってしまう。 (アレが……) それは、自然と昨夜の事を思い出してしまうわけで、いや、夜の暗い灯り中で見るのと、明るい日の中でみるのとでは、本当に違う。優斗は、顔が赤くなっていくのが分かった。 (すごく恥ずかしい)

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