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広がる黒い染み-3
華奢で綺麗な……。実際、パートナーには性差は関係が無い。だけど、それは、より強大な気の力を生み出すためには、男女間のみと限定しては得ることが出来なく成り立たないからであって、
現皇のパートナーであるレイアのような「女性」ならばまだよかったのかもしれない。
(近しい者はパートナーの印をもつことができない。それはそうなっている。神がそうしている。神から選ばれなかった。だから自分はそういう事だ……)
だけど。
レンの心の中に黒く暗い染みが広がる。
優斗がきたその日の夜。あの日の夜はレンの所にランフィスは来ていた。パートナーがいても、自分とランフィスの関係は変わらない。ランフィスもそう言っていた。レンもそう思っていた。
だけれども、優斗が闇の皇子に拐かされて連れ去られそうになったという知らせがきて、ランフィスは優斗の所へ急いで行った。
行ったっきり、あれ以来、レンの所には二度とこなかった。
それから暫くして、気の力による光が、あふれだした。その光は陽の国を満たして、何か月ぶりかの、温かい日が来た。気候が麗らかになれば、作物も育つし、国の人々の暮らしも安定して、皆穏やかで。
気の光から成る光の渦は、それからもどんどん生み出されて、2人の関係がより良好なのは明らかであった。
"あまり自室から出ない優斗は、最初会ったときよりも、肌の色がより白く輝くようにますます綺麗になっていた"
レンはこの国に忠誠を誓っている、自分にとってそれはとても喜ばしい事なんだと、言い聞かせ納得するようにした。そう思えば思うほど……。
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