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闇のいざない-5
「ここから先は本当に口外無用です」
ジマは順を追って詳しく話し出した。まず、何故、レンに声をかけたのか、何故レンに協力をすることによって、ジマの主の望みを叶えるに有効であるのかを話しはじめる。
「主 はユウトさまを欲しております。主はユウトさまと出会ってから、ユウトさまが陽の皇子と契ってもなお変わらず欲しているのです」
(ジマは今"出会って"と言った。ユウトを"見かけた"とかではなく)
レンにははっきりとそう聞こえた。
(ユウトと出会ったと言う事は、実際、ユウトと面と向かって会った事があるということだ。で、あれば、ユウトが出会える者なんてそんなに多くない、城での侍女、従者、俺やビィ、)
その他には……。
レンの頭に誰かの姿が浮かぶ、だけど、それが"誰"と認識するのをレンの頭の中では拒否してしまっていた。
「その主とは……誰なんだ?」
レンはそれを聞いてはいけない気がした。だけど聞かずにはいられない。
「レンさまは知らないほうがいいと思います」
「何故…」
「どうしても、とおっしゃるのでしたならお教えいたしますが、ですが、知ってから、止めたいとおっしゃられても、それは叶いません。何故ならその時にはレンさまはもう既に知ってしまった事になっているのですから」
気がつけば、レンはジマの顔が何か違うものに見えた、男か女か分からないと思っていたが何か無表情の整ってはいるけど違う印象の顔であった。
「大丈夫です、あなたを悪いようには致しません。あなたの望みは我が主にとても意味のある望み。今の皇子のパートナーであるユウトさまがパートナーとしてのお役が無くなれば、皇子の傍にいる理由もなくなりますから……」
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