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麗らかな時の-1
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その翌日。
麗らかな日差しの中で優斗は庭でのんびりと1人で散歩をしていた。供の者は特につけてはいなかった。皇宮の敷地内であればビィら魔道士の張った結界もあるし安全であったからだ。それに、優斗は他に人がいるのは落ち着かなく1人でいたかったのもある。
こちらの世界での薄葉花という木の花が満開でとても美しく、優斗はその花をゆっくりと観て回っていた。
ランフィスの次期皇となる即位式の正式な日程は決まってはいなかったが、それまでにはランフィスは色々な公務をこなしていく必要もあり何かと忙しかった。優斗も正式なお披露目もあるので多少忙しかったが、ランフィスほどでもなかった。
最近では、優斗を見て立ち止まって礼をする侍女や影で優斗の噂をしている声にも慣れてきた。
気の光の放出は、最初は恥ずかしくて仕方がなかったが、ランフィスが気の力の光を、自らの内に溜めてまだ、日が明るく照っている時に、その力を世に放出するようになってから、自分らの営みを知られる事もなくなって、その恥ずかしさも無くなってきた。
皇宮の中にある庭園は広くていくつもあり、優斗はその中の一つの緑庭園に来ていた。「緑 」という国の植物が主に植えられていた。
そこにある薄葉花という花の木が今は見ごろであって、きれいな薄緑色の花が沢山咲いていた。葉っぱともまた違う、少し透明がかった薄い花びらが薄緑と、咲はじめの花はもっと青みがかかってる色で陽にきらきらと光ってガラス細工にもみえてとてもきれいだった。
その花がとても珍しくて優斗はみとれていた。
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