80 / 379

麗らかな時の-4

レンがあまり目立たない服に着替えてくれというので、優斗は服を色々選んではいたが、こっちの服は、というか優斗に与えられている服はどれもぴらぴらしていて、これで良いものかどうか困っていた。 (これってトーガ?みたいな服ばかりだよねこれでいいのかな?) すると、レンがこちらの世界の一般人の服というのを持ってきた。優斗は、こちらの世界の一般人の服というものがよくわからなかったが、見てみると、シンプルなゆったりめのチェニックとズボンといった感じだった。あまり向こうの世界の人と変わらないような多少ゆったりめの服だった。 (全然こっちのほうがいい。普段もこっちの服を着ていたい) とか優斗が思っていると、レンが促した。 「お早目にお支度をしませんと。あっという間に日が落ちてしまいますよ?」 ……… … 城外へ出るときには特にとがめられることもなく案外スムーズに出ることができた。 「皇宮は侵入者には厳しいのですが、外へ出る者に関しては案外緩いんですよ」 皇宮の敷地から出てしばらく歩いていると、ジマの姿が見えた。まさかあの店へ行く前にジマが現れるとは思わず、レンは驚いた。 「何故、ここへ?俺がユウトさまを連れて現れるとよく分かったものだ」 「城の門にある木に聞きました。木は色々知っています。何かあったのなら私へ伝言してくれるように頼んであったのですよ」 と、ジマは謎の事を言った。だけど、これが、すぐ連れ出せと言った事につながるという事かとレンは思う。 (よくわからないが、これが魔道の力なのだろうか?) .

ともだちにシェアしよう!